特集:いまスタ!社会人の学び応援プロジェクト

プロジェクトの紹介

今からスタート、今からスタディ!(いまスタ!)

リカレント教育の機運をこれまで以上に醸成し、その意義を普及啓発し、社会運動にしていくことを目指し、8月に文部科学省では「いまスタ!社会人の学び応援プロジェクト」を始動しました。 学びの重要性は痛感しているけれどなかなか決心がつかない方、大学や専門学校での学びのイメージが湧かない方など、リカレント教育に関心のある社会人の皆様が一歩踏み出すことができるような動画をシリーズで作成・公開しています。

10月末時点までに第3弾、合計15本の動画を公開しています。

以下、各動画のポイントを記載しておりますので、詳しくは文部科学省YouTubeチャンネルよりご視聴ください!
*各動画ごとに分けてご視聴できます。

今後も、社会人の学びを応援する方から、学び続けることについて前向きなメッセージを発信いただくとともに、大学や専門学校などの事例を紹介してまいりますのでどうぞ楽しみにしてください。

御参考に、第1弾動画のインタビュー動画の一部をテキスト形式で紹介します!

インタビュー記事1 立命館アジア太平洋大学学長 出口治明氏

(*インタビューは8月上旬に行われました)

――出口学長の考える学び直しの意義とは?

⇒今の世の中は社会の進歩がものすごく速い。大学・専門学校で学んだことが、5年、10年、20年と役立つ保証は無く、世の中の進歩が速いほど学び続けることは重要。

⇒970年ごろに作られたアズハルという大学で有名な「入学随時」「受講随時」「卒業随時」の3信条が学ぶことの基本。

――コロナ禍が学び直しに与える影響とは?

⇒コロナの時代では人との交流や旅が比較的難しくなるので、こんな時こそじっくりと本を読み、物事を考えるとても良いチャンス。世の中が変わると昔の自分の学びとの違いに気づくことができ、その気づきが学びへの原動力になる。

――大学や専門学校は何をすべきか?

⇒日本には800の大学、2,800の専門学校がある。そういう中で学ぶ場所はたくさんあるが、実際に学んでいる人について言えば大学院の社会人入学者数は17,500人ちょっとでこの10年間でほとんど横ばいの状況。世界中の先進国が大学院や専門学校に行ってITをはじめ知識武装をしており日本が残されたような気分。

――APUのリカレント教育プログラムとは?

⇒APUは90か国から3,000人の留学生が来ており学生の2人に1人が外国人。そのような環境を活かして2か月間、留学生と一緒に勉強する社会人リカレントプログラム。

――学び直しを考える社会人のへのメッセージを

 最近読んだ本で知ったのですが、フィンランドでは市民の3人に2人が、一生の間に仕事を変えます。単に転職するというだけではなく、この仕事を変える3人に2人のうち、2人のうち1人、つまり1/3の人は、仕事を変えるそのタイミングで、新しく大学や大学院や専門学校に入って、違う勉強をしたり、新しい資格を取って、人生にチャレンジしていきます。人生100年時代、色んなチャレンジができる社会が本当に素晴らしいと僕は思いますけれども、でも、チャレンジするためにも勉強は必要ですよね。そういう意味では、社会人の皆さんも、一生学び続けるということにチャレンジしてほしいと思います。

 中には、もう自分は年をとったから、今さら勉強なんて、と言われる方がいらっしゃるかもしれませんが、何歳であれ、今の皆さんが一番若いんです。明日になれば1日年を取ります。だから、学ぶことについて、遅いということは、僕はないと思っています。今が一番若いわけですから、ぜひ学ぶということに、貪欲になってチャレンジしてほしいと思います。

インタビュー記事2 サイボウズ株式会社代表取締役社長 青野慶久氏

(*インタビューは8月上旬に行われました)

――青野社長の考える学び直しの意義とは

⇒ 自分が大学を卒業したのが1994年ですが、その後社会は大きく変動した。そのような変化しより複雑になる社会でこれから学び直しをせずに人生100年時代を生きていくことは難しい。だからこそ、学びを続ける必要がある。

――コロナ禍で学び続けることの重要性は

⇒コロナの時期が大きくて今まで儲かっていた会社があっという間につぶれる可能性がある。産業が大激変し、その時にうまく乗り切ろうとしている会社があるのに今までのやり方で行こうとすると厳しくなってくる。ウィズコロナの時代だからこそより一層学び続けていく、学び直すというより学び続けるという姿勢が重要。

――企業は何をすべきか

⇒徹底的に学びを支援することが重要で学び続けることの支援なしに経営を続けることは難しい。徹底的に従業員の人には学び続けていただき、従業員・経営者含めて学び続ける姿勢が大事。人を引き付ける組織であるためにも学び直しを支援する、そういう会社に人が集まると思う。

――学び直しを考える社会人のへのメッセージを

 今日はみなさんに私の好きな言葉を紹介します。「最終学歴よりも最新学習歴」という言葉です。今までの様に最終学歴を自慢する時代は終わりにして、どれぐらい新しいことを学びつづけたか、最新学習を自慢しあうようなそんな社会にしていきましょう。