修了生インタビュー

青山学院大学大学院 社会情報学研究科

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ビジネスでやりたいことをちゃんとやるために研究がある

広瀬 安彦さん(46歳)

職場で得たテーマで学会に発表する論文を執筆
会社では組織開発に取り組む。「制度による改革に加え、ワークショップや上層部へのエグゼクティブコーチングなど人に働きかけることで、組織風土を緩やかに変え、多様な人たちをまとめていく仕事です。大学院での研究を経なければできなかったでしょうね」。研究者としては、出向先で担当した「中小企業の幹部候補の優良企業でのインターンシップ」をテーマとして、学会用の論文を現在執筆中だ。

2019年03月31日

構成/「スタディサプリ社会人大学・大学院」編集部、取材・文/伊藤敬太郎、撮影/小山昭人

Before
人材育成の仕事にはやりがいを感じていたが
本質的な部分がつかめないことにもどかしさを感じていた
After
働きながら修士論文を執筆。現場の組織開発に
活かすための研究活動がライフワークに

ワークショップなど、教室以外でのインフォーマルな学びによって人はどのように動機付けられ、成長していくのか。また、それを組織作りにどう活かしていくことができるのか。これが、広瀬安彦さんが、大学院進学以降ライフワークとして取り組んでいる研究テーマだ。

シンクタンクで教育系のビジネスにかかわり、その後、人材育成の仕事をするなかで、人の学びや成長への関心は深まっていたが、一方で深い専門性が不足していることも感じていた

「本を読んで現場で応用しようとしても、結局かたちだけになってしまうんですね。本質的な部分をつかむためにはどうした らいいかと考え、大学院進学を検討するようになったんです」

最初に通ったのは青山学院大学のワークショップデザイナー養成プログラム(3カ月間の履修証明プログラム)。そこで教授と親しくなり、2013年4月から同大学大学院社会情報学研究科ヒューマンイノベーションコースに通い始めた。

「大学院で理論を学ぶなかでわかったのは、どの理論も仮説に過ぎないということです。必ず穴はあるし、対立する意見もある。自分で研究をしてそこまで理解できると、現場の状況に応じてピンポイントで適切な理論を応用できるようになります」

そうなると、現場の人材育成や組織開発と大学院での研究活動はもはや一続きのものになる。大学院進学後は、仕事での課題や発見が研究の材料やヒントになり、研究で得た知見や手法は日々の業務に還元されるというサイクルができあがっていった。 「だから、仕事を離れて研究に専念するという発想はまったくなかったですね。ビジネスをちゃんとやるためにこそ研究の世界があるのですから」

同研究科は厳しい指導で有名。広瀬さんも2年目に書いた修士論文は認められず、修了まで3年を要した。3年目にまとめた 修士論文のテーマは「組織開発実践家によるワークショップ」。

しかし、それで研究が終わったわけではない。今や広瀬さんにとって、研究は「生涯続けていくもの」となっている。

「さまざまな理論を知り、自分自身で研究に取り組んだことで、関連する分野の専門家といわれる人たちと、専門家として会話ができるようになったと感じています。こちらにも提供できるものがあると話してもらえることの質が変わってきますから。研究が本当におもしろくなるのはこれからなんです」