修了生インタビュー

早稲田大学 人間科学研究科修士課程

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社会貢献したいという思いが通信制大学での学びを通して 徐々にかたちになっていった

女優・タレント いとう まい子さん(54歳)

1964年生まれ。1983年に歌手デビュー。女優としての出演作は『不良少女と呼ばれて』(TBSテレビ)、 大河ドラマ『独眼竜政宗』(NHK)など。映画・ドラマ・バラエティ番組・情報番組などで幅広く活躍中。

2019年03月31日

構成/「スタディサプリ通信制大学」編集部、取材・文/伊藤敬太郎、撮影/小山昭人

ロコモティブシンドロームを予防するロボットの開発や啓蒙活動に携わる

ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは、運動器の障害で移動する機能が低下した状態を指す医学用語。「健康寿命」が叫ばれる今、高齢者が寝たきりになるのを防ぐうえで、重要なキーワードだ。

いとうまい子さんは、今、このロコモに関する講演などの啓蒙活動やロコモ予防のための卓上ロボット開発に取り組んでいる。
きっと「芸能人のいとうさんがなぜ?」と思う人もいるだろう。きっかけは40代半ばでの心境の変化。

「その頃、芸能の仕事とは違うかたちで何か社会貢献をしたいと考えるようになっていたんです。でも若い頃から芸能生活に専念してきた私にはその土台がなかったんですね」

予防医学については仕事でかかわりがあり、興味をもって勉強したことがあった。当時は専門家も少なく、自分が社会貢献するならこの分野かも、と漠然と思うように。 「そのために大学で学びたいと思ったんですが、仕事をしながら通うのは無理。でも通信制なら……と思って調べたら、関心のある分野を全部カバーしている早稲田大学人間科学部eスクールを見つけて」

ご主人の「やってみたら」という後押しもあった。「何ができるかはわからない。でも、一歩を踏み出そう!」と入学を決めたいとうさんは、そこから一気に本気モードに入る。

eスクールは毎週授業の映像を視聴して、レポートを提出するという学び方。勉強は想像以上に大変だった。何しろ本格的な勉強は高校以来。最初の半年は土日に10科目分をまとめてやっていたが、「この方法ではもたない」と切り替えた。

「平日、家事と仕事を終えてから夜中にやることにしたんです。1日2科目ずつで毎日約5時間。週末は思い切って遊ぶ!そうしたら、徐々にリズムがつかめてきました」

「本気で学んでいるといろいろな人が力を貸してくれます」といとうさん

まだまだ学び足りない! と感じて大学院に進学。現在は博士後期課程在学中

ゼミはロボット工学の研究室を選択。予防医学を中心に学んできたいとうさんには、また未知の世界だ。「もちろん私にできることは限られているけど、eスクールにはいろいろな分野の専門家である社会人学生が集まっています。みんなの力を借りれば、このゼミで実現できることはきっとあるはず。そう教授を説得してゼミに入ったんです」

この言葉通り、ゼミ仲間の整形外科医からロコモについて初めて教わったいとうさんはアイデアを膨らませ、ゼミ仲間とともにかたちにしていく。ゼミにはロボットに詳しい学生もいた。結果、いとうさんはロコモ予防のための卓上ロボットを開発し、企業から共同研究をもちかけられるまでになった。

「ただ、入学前は、大学で4年間学んだらもっと自分が変わっているだろうと思っていたんです。でも、当時はそこまでの実感はなくて。まだ学び足りないなと感じたんです」

 

卒業後は大学院修士課程に進み、研究を継続。現在は博士後期課程。ロボットは壊れるのが常識なので、「壊れないロボット」という新たなテーマに挑戦中だ。社会貢献という夢には着実に近づいている。

「この9年を振り返ると、すごく達成感と充実感を感じます。大学に進学していなければ、今頃は10年前の自分と大して変わらない自分しかいなかったはずですから。本当に通ってよかったと思います!」

大学時代のゼミで開発した、ロコモ予防のための卓上ロボット「LokoPyon」。展示会にも出展し、企業との共同開発のきっかけに