在学生・修了生インタビュー

東放学園映画専門学校 映画VFX専攻科

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憧れの映像業界への転身。「学び直し」で切符を掴んだ

有限会社オレンジ エフェクトアーティスト 
船田 純平さん(28歳)

2018年、 新卒より勤めていたインフラ系企業を退職、東放学園映画専門学校 映画VFX専攻科入学。2019年4月 有限会社オレンジ入社。エフェクトアーティストとしてTVアニメ『BEASTERS』や人気ゲーム作品「IDOLiSH7」のミュージックビデオ『Mr. AFFECTiON』の制作に携わるなど活躍。

2020年3月12日

インフラ企業から、アニメーション業界への転身

「仕事は、本当に”自分のため”にやっているんです」と笑う、船田純平さん。
TVアニメ『宝石の国』や『BEASTERS』を制作する有限会社オレンジの新進気鋭のエフェクトアーティストだ。自分自身が喜べる仕事をしたいんです―と、少し照れながらも真摯な眼差しで思いを語る船田さんだが、かつては「働くこと」と「自分にとっての幸せ」との食い違いに思い悩んだこともあったという。土木系の4年制大学を卒業し新卒で入社した企業は、電力会社のグループ企業だった。

「アニメーションは元々大好きだったんです。でも大学時代には、「好きなことで働く」というイメージは全然持っていなかった。普通に大学を出て、普通にサラリーマンやって…大学時代は、僕も周りもそんな感覚だったんじゃないかな。自分にとってそれが幸せな道なのか、ということはあまり考えていなくて。」 安定した就職というレールに乗ったものの、船田さんは「これが生涯ずっとやりたい仕事なのだろうか」とどこか違和感を覚えていた。

そんな中、南米旅行で思いがけず得たあるクリエイターとの出会いが、元々大好きだったアニメーションの世界を目指すトリガーとなる。帰国後も繋がりは途絶えず、その伝手でアニメーション業界の人々との交流を重ねる。最初は興味本位だった。しかし、憧れ以上の思いを持ったことがなかった「アニメーション業界で働く」という具体的なイメージが、どんどん膨らんでいった。

会社に不満があったわけではない。それでも、アニメーション・映像業界で働いてみたいという思いは募り、2018年、思い切って退職。そして、東放学園映画専門学校での「学び直し」を決めたことが、現在の道へと繋がっていく。

「短期集中」が進学の決め手に

船田さんは、アニメーションの中でも特に関心を寄せていた「作り 」に大きく関わる技術「合成(コンポジット)」を集中的に学ぶべく、東放学園映画専門学校 映画VFX専攻科に入学。 「VFXというのは、もともと実写の技術ですが、共通する部分が多いんです。実写ベースの知識を持ったうえでアニメの仕事ができれば、自分の強みになるという直感がありました。」

「それから、1年間で集中して学べるということは、この学校を選ぶにあたっての決め手になったと思います。当時26歳だった僕は、映像業界だと遅いスタートでしたから…年齢を考えたら、いち早く業界に入りたい気持ちでした。」

短期間で効率的に学べる夜間プログラムのため、クラスには社会人として働きながら学ぶ人、アルバイトをしながらキャリアアップを狙う人…と様々な仲間が集った。船田さんは、貯金を切り崩して費用を捻出し、授業のない昼間は自主学習に充てる勉強漬けの1年間を送った。努力は実り、2019年に卒業しすぐに、有限会社オレンジへ入社。全く業種の異なる前職から、憧れのアニメーション業界へと転身を果たした。

学べたことは「プロとしての姿勢」

東放学園映画専門学校 映画VFX専攻科は、社会人のキャリア形成を図る機会の拡大に資する実践的なプログラムとして、文部科学大臣による「キャリア形成促進プログラム」の認定を受けている。船田さんも、映像制作のひとつひとつの技術を身に着ける以上に、「プロのクリエイター」としての考え方や判断、根幹となる部分を鍛えることが出来た、と振り返る。

「学校では、業界の第一線で活躍中のプロに教えて頂いたのですが、とにかくまず手を動かして”やってみる”ということが一貫して重視されていました。学生同士で役割分担をし、チームで作品を作っていく。その過程で必要な技術に行き当ったら、どんどん勉強して身に着けていく、という実践的なスタイルです。チームワークも含めて、プロの仕事の進め方をイメージできたのは大きかった。」
 現在の会社への就職にあたっては、年齢よりも学んできたことや習得してきたことが評価されたと思う、と船田さんは言う。「今思えば、前職での経験も活きました。仕事の進め方やチーム内のコミュニケーション力を培うことが出来たので、決して回り道ではなかったと思っています」と笑う。

「学び直しで、映像のプロとしてのあり方に触れました」と語る船田さん

自分が本当に喜べる道を

「どんな仕事も素晴らしいと思うのですが、自分が身を置いて気持ちのいいと思える環境で仕事ができれば、それが一番ですよね。僕の場合はそれが映像でした。」
思い切って踏み出した一歩、そして憧れだったアニメーションの世界で今働いている。そのために学び直しは「率直に、やってよかった」と船田さんは頷く。

「もし迷っている人がいたら、もう一度自分に問い直してみてはいかがでしょうか。僕は“自分のために”働いたって、“自分が気持ちいいか”、“自分が好きか”ということのために働いたっていいと思っているんです。自分が本当に喜べないなら、他人や社会に何か与えることもできないんじゃないかなって。」

今の船田さんの夢は、誰も真似できない映像作品を作り上げることだという。学びの道もまた、これから続いていきそうだ。