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兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科 地域資源マネジメント専攻(博士前期課程)
- 理学・工学・農水産系
- 兵庫県
- 大学院
専門性を高めるため
地球科学の知識を伝えることで、一つでも多くの命を守りたい
郡山 鈴夏さん(26歳)
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茨城大学で地質学を学んだ後、地域資源マネジメント研究科の第2期生として入学。修了後は、山陰海岸地域の地質遺産を保護・保全する「山陰海岸ジオパーク推進協議会」で専門員として活躍中。
この大学院で学んだ理由
大学で地質学を学んでいた頃から、山陰海岸が研究フィールドでした。日本列島がユーラシア大陸から分断され、日本海が形成される過程に魅せられたからです。卒業後も研究を続けるには豊岡ジオ・コウノトリキャンパスは絶好の環境でした。しかし、それ以上に地域資源マネジメント研究科に魅力を感じたのは、ジオ、エコ、ソシオという3つの学問を融合した学びでした。研究活動を通して地域の人々とかかわる中で、学んだ知識で社会に貢献するためにも、広い視野で研究に向き合いたかったのです。
今の仕事と、これからの目標
現在の仕事では、鳥取、兵庫、京都と広域に渡る山陰海外ジオパークの地域をまわり、地域の人々に、自分たちが住む地域の自然環境の素晴らしさを講演などで伝えています。難しくなりがちな地質の話を一般の人にわかりやすく伝えるのには、大学院で身につけたコミュニケーション能力と地域資源マネジメントの能力が役立っていると思います。高校時代、東日本大震災を経験した私の目標は「地球活動の当たり前さ」を伝えること。地球科学の知識を伝えることで、守れる命があることを信じています。
私のオススメ科目
- 地域資源マネジメント論
- 自分で選んだ研究テーマで発表を行いますが、この授業の特色は、エコ、ジオ、ソシオの3研究領域の先生がそれぞれ授業に参加して、意見をいただけること。自分の研究領域に偏りがちな視点を広げてくれました。
- サイエンスコミュニケーション演習
- 取り組んできた研究を、他者、特に研究分野外の人へ伝える技術を身につける授業です。今、地域の人々に地域資源などについて伝えている私の仕事には、そのまま役立っています。
- 社会学概論
- 大学は理学部で地質の研究に没頭していた私にとって、社会や社会学について学ぶ機会がほとんどなかったため、とても新鮮でした。初めて、社会や地域、コミュニティについて考えることができた授業です。
お金のやりくり法
学費は奨学金やアルバイトであてました。大学院の人脈から、学びに役立つようなアルバイトには事欠きませんでした。大学院が斡旋している市営住宅から通っていたので、生活費も少なくすみました。
ある一週間のスケジュール
木曜日 | 授業1コマ。地域資源マネジメント研究科の時間割のスタートは木曜日。木〜日に開講する授業を、毎年、開講曜日をずらすことで、土日だけでも全科目を履修することができます。 |
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金曜日 | 授業1コマ。 |
土曜日 | 授業は午前中に2コマ。午後からはゼミ。私は2年で修了しましたが、働きながら学ぶ社会人学生は、長期履修制度を活用して、土日の授業だけの履修で修了できます。 |
日曜日 | 授業1コマ。ランチはみんなで交流スペースでとることも多かったです。年齢、経験、職業などバックグラウンドが多様な仲間との交流で、2年間で私の視野はずいぶん広がったと思います。 |
月曜日 | 休み。月曜日は自宅でゆっくりすごすことが多かったです。城崎温泉、出石の城下町、車で1時間ほどいけば鳥取砂丘もあり、遊び場には事欠きませんでした。 |
火曜日・水曜日 | 大学時代から続けていた「日本海形成」の研究のため、フィールド調査に出かけることが多かったです。この研究は地域資源マネジメント研究科での修士論文に発展させることができました。 |