在学生・修了生インタビュー

(左から)竹本拓治 氏、北川茜 氏

福井大学 「ふくい型アプレンティス」キャリア形成プログラム(産学官金連携によるDX人材養成)

  • 理工・情報・IT系(建築・土木系含む)
  • 大学
  • 新しい可能性を見つけるため

これまでの興味関心から離れた分野に飛び込んだが、今ではその分野が面白く、受講前は想像もしていなかった企業で就職できた。

修了生:北川茜(きたがわあかね) 氏

大学卒業後、地元の福井で就職。出産を機に転職を考え、福井大学のDX人材養成プログラムを受講。修了後に転職し、現在はロボットを使ったプログラミング教材の企画開発に従事。

大学担当者:竹本拓治(たけもとたくじ) 氏

福井大学 地域創生推進本部附属創生人材センター センター長、教授。
学生時代に教育サービス会社を創業し、日本証券業教協会グリーンシート市場に上場。退任後、京都大学で研究員や特命講師を経て現職。専門分野として経営工学、行動経済学、アントレプレナーシップ教育、社会事象の統計分析を行うとともに、新しい事業の創造意欲に燃える人材育成にも取り組む。受講生が社会で活躍するためのスキルを身につけることを重視し、産学連携プロジェクトを通じて実践的な教育を行う。

アメリカ発の制度を踏襲した「ふくい型アプレンティス」キャリア形成プログラム

―「ふくい型アプレンティス」キャリア形成プログラムとは、どういったプログラムでしょうか。

竹本氏:このプログラムは、「アプレンティス制度」というアメリカの失業者対策として成功を収めた高度技術習得制度を参考に、福井県の産業発展に資する人材を育成することを目的に、システム開発、サイバーセキュリティ、DXの能力形成に特化して開発したプログラムです。
開発にあたっては、「ふくい型」の産学官連携(福井県内の高等教育機関、自治体、200社以上の協力企業との連携)を通じて、実際に人手が不足している分野や求職者のニーズを把握し、プログラムに反映しました。

また、成長産業の現場で活かし応用できる知識や技術を集中的に身に付ける教育に加えて、総合的な人間教育や理論的教育も組み合わせています。

リカレントプログラム受講を通じた新たな分野への挑戦

―リカレントプログラムを受講しようと思ったきっかけは何でしたか。

北川氏:当時転職を考えていましたが、子どもが1歳だったこともあり、すぐに転職というわけにもいきませんでした。そのため、まずは何か新しいスキルを身に着けようと考えたのがきっかけです。

―このプログラムを選んだ理由について教えてください。

北川氏:システム開発、サイバーセキュリティ、DXといった分野は、これまで馴染がなかったのですが、いつか学ぶ必要があると考えていた分野だったためこのタイミングで学ぼうと思い選びました。また、福井大学は自宅からのアクセスが良かったことも本プログラムを選んだ理由です。
プロフラムのうち、私は何かを作ることが好きだったため、システム開発のクラスを受講しました。

周囲とのチームワークを重要視したプログラム設計

―再度学ぶことについて、躊躇や苦労はなかったのでしょうか。

北川氏:再度学ぶことに対しては、新しいことを始めるワクワク感がありましたが、DX等に対して何となく苦手意識があり、講義についていくことができるか不安がありました。その際、前年度の講座修了率を見て、私よりも年輩の方も含めたほとんどの方がプログラムを修了されていることを知って勇気づけられました。また、受講開始後は、家庭との両立や課題に取り組む時間の確保に苦労しましたが、家族からの支援やグループワーク等を通した受講仲間との協力によって乗り越えることができました。このプログラムで出会った受講仲間とは今でも連絡を取り合っており、転職して頑張っている話などを聞くとモチベートされています。

竹本氏:「ふくい型アプレンティス」キャリア形成プログラムは、講師から受講生への一方向の講義だけでなく、現場を意識し、グループワークで取り組みチームワークを形成していく講義を織り交ぜています。苦労しながら切磋琢磨しているチームほど結束が強く、また修了した時様子を見ていると、一際達成感を感じているようにも見えました。

北川氏:受講生同士関わりあうことで周囲にモチベートされ、一定のペースを保ちながら学び、プログラムを修了することができたのだと思います。

竹本氏:他にも、受講生の悩みなどを聞くホームルームの時間の設定や、受講をサポートする講義アシスタント(現役大学院生)も配置しています。

プログラム受講の効果

―一番印象に残った内容や、役に立った内容はありますか。

北川氏:私はプログラム修了後に転職をしたのですが、その転職活動において、本プログラムへの参加経験が意欲ある行動として評価されました。また、プログラム内に「事業化可能性調査」という新規事業立案の考え方を学ぶ講義があるのですが、転職活動の面接で新規事業のプレゼンがあり、学んだ内容をそのまま活用することが出来ました。

現職の業務においては、プログラミングやシステム設計など講義を通して学んだ知識そのものが役立っているだけでなく、その知識が新しい知識を学ぶ際の土台にもなっています。

「やってみるまで何が起こるかわからない」

―最後に、リカレントプログラムの受講を検討されている方々へメッセージをお願いします。

北川氏:私自身これまでの興味関心から離れた分野に飛び込みましたが、今ではその分野が面白く、受講前は想像もしていなかった企業で就職することにも繋がりました。また、本プログラムをやり切ったという自信や、他受講者との新たな出会いも得られています。
私自身の経験から、「やってみるまで何が起こるかわからない」ことを皆さんにはお伝えしたいです。

―このプログラムを通じて、「目指す姿」や「目標」などあれば教えてください。

竹本氏:実際に企業の役員の方と会話し、企業で必要となる「新しいものを創造する力」を教育するプログラムを作った結果、北川さんのような人材を送り出すことができたと感じています。今回のようにプログラムを修了された方と会話することで得た気づきを、次年度以降の本プログラムに活かしていき、更に良くしたいと思っています。

プログラム概要(2023年度の場合)

実施大学 国立大学法人福井大学
プログラム名 「ふくい型アプレンティス」キャリア形成プログラム
(産学官金連携によるDX人材養成)
開講期間 <2023年度の場合>
2023年10月1日(日)~2023年11月30日(木)

※1科目からの受講も可能(以下、部分受講

受講方法 対面式講義(福井大学への通学)
受講科目 全3科目
(コア科目、スキル養成科目、アプレンティス科目)
受講対象 募集する2クラスのいずれかの受講を希望し、就職・転職する意志がある者・受講期間中は福井大学で受講できる者。
受講要件 受講申込時点において、次の各号のいずれかに該当し、かつ、原則として福井県内の企業等に就職・転職する意志を有する者
(1)失業者
(2)非正規雇用労働者
(3)転職希望者等(将来的な希望を含む。)
(※(1)~(3)にはUIターン希望者を含む。)
修了要件
  • コア科目(32時間)、スキル養成科目(40時間)、アプレンティス科目(56時間+就業体験等)の合計128時間以上の履修
    ※各科目では一定水準以上の課題等の提出を要す
  • 就業体験等(企業視察、実証型の事業化可能性調査または地域企業へのインターンシップ)の成果発表にて、審査合格
申込期間 2023年8月10日~2023年9月4日

※部分受講は、2023年9月5日~2023年9月20日(17時必着)

受講料 無料

※交通費等は自己負担

※条件を満たす場合、職業訓練受講給付金支給

※部分受講は有料(1科目13,000円~26,000円、一部無料科目あり)。

備考
  • コース修了者には証明書を授与(部分受講の場合は、授与なし)
  • 修了生の進路:IT・システム業界、アパレルEC業界、サービス、製造業界